「乾燥」はカサつきや粉ふきだけでなく、しわや毛穴の開きなど、
あらゆる肌トラブルの引き金に…。放っておくと肌の老化を進める原因にも!
乾燥を防ぐことは、美肌を実現するための大きな鍵になると
言っても過言ではありません。
そこで今回は、肌が乾燥する原因やその対策についてご紹介します。
【乾燥肌とは】
乾燥肌とは、肌の水分・皮脂が不足して潤いがなくなっている状態で、ドライスキンとも呼ばれます。
入浴後や洗顔後に肌がつっぱる、全身がカサカサする、などの症状がみられます。
特に乾燥しやすいのは、もともと皮脂の分泌が少ない脛(すね)、膝、ひじ、足の裏などの部位です。顔では頬や目、口のまわりなどが乾燥しやすくなります。
なぜ肌が乾燥するとこのような症状になるのでしょうか。
私たちの身体を覆っている皮膚には、外界からの異物の侵入や攻撃から身体を守ったり、体内から水分が蒸散するのを防いだりする「バリア機能」という役割があります。
この大切な役割を担っているのは、表皮のいちばん外側にある「角層」です。
具体的には、角層細胞内の「天然保湿因子(NMF)」が保持する水分と、角層細胞間を埋める「細胞間脂質」による隙間のない構造、そして角層表面の「皮脂膜」が、バリアの役割を果たしています。
しかし、乾燥した外気の影響で角層の状態が不安定になるとバリア機能が低下し、肌は乾燥状態に…。つまり乾燥肌対策では、『いかにバリア機能を低下させないか』が重要なのです。
【乾燥肌の原因】
・ターンオーバーの乱れ
寒さなどで血行が悪くなると、肌に酸素や栄養が行き渡りにくくなります。
すると、肌のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)のサイクルが乱れ、うるおいを保持できにくい細胞で形成された角層になってしまうのです。
さらにターンオーバーの乱れは、睡眠不足やバランスの悪い食事などによっても引き起こされます。
・冷房、暖房の長時間利用による空気の乾燥
エアコンは空気中の水分も一緒に吸収してしまう仕組みのため、冷房でも暖房でも、長時間使用により空気は乾燥します。
空気が乾燥すると、肌のバリア機能は低下しやすくなります。
・紫外線によるダメージ
紫外線は日焼けだけでなく、皮ふのバリア機能を低下させ乾燥させます。
季節を問わず、しっかり紫外線対策を行いましょう。
・間違ったスキンケア
洗顔やメイクの際に肌をゴシゴシこすると、角層が傷ついて水分が逃げやすい状態に。
また、熱いお湯でのすすぎなどは、肌の保湿を担っている天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質、必要な皮脂を洗い流してしまい、保湿力低下につながります。
・皮脂や汗の減少
気温と湿度の低下により、皮脂・汗の分泌が低下。皮脂や汗が混ざり合ってできる「皮脂膜」が形成されにくくなることで、肌内部の水分が蒸散しやすくなります。
・加齢
肌の保湿力を担っている角層細胞内の天然保湿因子(NMF)や皮脂は、年齢とともに減少します。それにともなって肌のバリア機能が低下し、乾燥や刺激を感じやすくなります。
【生活習慣での対策】
・しっかり睡眠をとる
ターンオーバーは睡眠中に促されるため、乾燥肌をケアするには質のいい睡眠は欠かせません。睡眠の質を高めるには、毎朝決まった時間に起きてしっかり朝食をとるのが◎。
就寝前は、睡眠の質を低下させる飲酒や喫煙、ブルーライトを発する電子機器などの使用を控えること。体温が下がると自然な眠気が訪れやすくなるため、就寝の1~2時間前に入浴を済ませ、一度体温を上げておくのがおすすめです。
・バランスのよい食事を心がける
肌や身体をつくるタンパク質を基本に、ビタミンや食物繊維が豊富に含まれる野菜など、さまざまな食材を摂りましょう。特に、ビタミンC(レモンやキウイ、赤ピーマンなど)やβ-カロテン(ニンジンやほうれん草、かぼちゃなど)は、肌や粘膜をすこやかに保つ働きがあるほか、活性酸素から身体を守る抗酸化作用も。
・部屋を加湿する
暖房によって部屋の湿度が低下すると、肌が乾燥しやすくなります。加湿器などを利用して、適度な湿度を保ちましょう。また、エアコンの風が肌に直接あたると、肌をより乾燥させてしまいます。風量と風向きを調節して、直接あたらないように気をつけてください。
・マスクを着用する
強い風や冷たい外気にさらされると肌の乾燥はどんどん進んでしまうため、外出時はマスクを着用し、肌をガードするのがおすすめです。また、マスクを着用することで顔周りの湿度が高まり、乾燥を防ぐこともできます。
・冬でも紫外線対策をする
真夏に比べれば量は少なくなるものの、冬でも絶え間なく降り注いでいるのが紫外線。しかも、乾燥する秋冬は空気中に遮るものが少なくなるため、地表に紫外線が届きやすくなるんです。紫外線を浴びると肌のバリア機能が低下してしまうため、油断せずUVケアを行いましょう。
【まとめ】
肌の乾燥は加齢とともに進み、お肌の曲がり角と呼ばれる30代に強く実感しやすくなるといわれています。
肌のうるおい不足を感じているなら、生活習慣を見直すとともに、より高保湿で、肌にやさしいスキンケアアイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか。
ただし、乾燥肌でかゆみや湿疹が出たり、ヒリヒリしたりする場合は、すみやかに病院へ。きちんと医師の判断を仰ぎましょう。
あらゆる肌トラブルにつながってしまう「乾燥」。
しっかりケアをして、うるおった美肌を目指してくださいね。